北海道のお菓子の歴史

  • 北海道がまだ「蝦夷地」と呼ばれていた江戸時代。この頃、本州に近い道南エリアでは既にお菓子づくりが始まっていました。たとえば、当時の松前藩から江戸に参勤交代する際のお土産として、海産物のほかに羊羹やボーロといったお菓子も用いられたと伝えられています。蝦夷地唯一の城下町だった松前に加え、江差、函館でも明治以前からお菓子づくりが行われていました。

    明治以降、北海道開拓の歴史とともに、お菓子づくりも小樽、札幌、旭川などで盛んになっていきました。職人たちが腕を競い合い、地域ごとに特色ある独創的なお菓子が誕生。お菓子業者同士の組合も各地で設立され始めました。

    第二次世界大戦後になると、北海道のお菓子はさらなる発展を遂げます。また、北海道観光の人気が高まるにつれ、全国的な知名度を誇るお菓子も多数登場してきました。
    他の都府県に比べれば、長い歴史とはいえないかもしれません。しかしながら、豊富で良質な原材料と先人たちのあくなきチャレンジ精神によって、北海道には実に多彩なお菓子が生まれ、そして根づいてきたのです。

  • 画像出典『旭川菓子商組合100周年記念誌 菓史翔』 旭川菓子商工業組合編

    江戸時代から明治にかけて日本海の物資の流れに大きな役割を果たした「北前船」。本州から蝦夷地に向かう北前船には、食糧や調味料に加え菓子も積み込まれていた。

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