【チエモク株式会社】私たちは、木のいのちも喜ぶものづくりを目指します

会社概要

チエモク株式会社

代表取締役 三島 千枝

〒063-0011 北海道札幌市西区小別沢140番地

電話番号:011-790-7012

URL:https://chiemoku.co.jp/

SDGsの取り組み

早生樹・はんのきの活用に取組んでいます

私たちチエモクは、これまでも北海道産木材を使うことにこだわってきました。数ある北海道産木材の中でも、特にお伝えしたい樹種があります。はんのきは、他の広葉樹に比べ非常に成長が早い樹種(早生樹)で、人工林の中で植林のカラマツやトドマツと同程度の期間で大木に成長します。ですが、木材としては軽くて柔らかいため人気がなく、これまでほとんど活用されてきませんでした。
私たちチエモクでは、北海道の貴重な天然林(原生林)を守りたいとの思いから、この再生可能な樹種・はんのきを自社のメイン樹種に据え、材の特徴を生かせるような製品開発に取組んできました。そして「もりのともだち」「coberu」「嘉の輪」のシリーズが生まれました。主に林産地・上川郡下川町の人工林から産出される材で作っており、下川町へは2008年から毎年5月に植樹活動を続けるなど交流を深めています。さらに、皆さまにお買い上げ頂いた売上の一部は下川町の森づくりのために寄付しています。

森のともだち

coberu

coberu
嘉の輪

下川町への寄付
植樹活動

貴重な天然林を守りたいという想い

従来より北海道産木材として人気のある広葉樹の種類は、木材として伐採され続けてきたために近年資源の量が急激に減少しています。
これまで人気の広葉樹は、成長するのに100年以上の歳月を必要とする種類の木が多く、そのような材は一度切ってしまうと元の状態を再生するのには数百年かかると言われています。私たちは、環境を守るためにもあえて使うのを避け、あまり人気はないけど森には沢山生えている、成長の早い種類の木をつかうことにしました。
はんのきは、「パイオニアツリー」と呼ばれ、荒地にも真っ先に侵入し根を下ろす樹種です。
最初は何も無い場所で生育しなければならないので、強い日射しや乾燥、寒さや強風などの厳しい自然環境にも耐えられ、なおかつ栄養の少ないやせた土地でも育ち成長が早い、と、まるで雑草のような強さを持っています。私たちが主に木材を仕入れている下川町では、トドマツ・カラマツの植林地に侵入してきて、一緒に成長するので、伐採時には一緒に採れることが多い樹種です。伐採しても50~60年程度でまた大木へと成長するので、広葉樹の中では極めて短い期間で再生でき、森への負荷を抑えることができる樹種なのです。一度壊れてしまったら再生に何百年かかるかもわからない、貴重な天然林を壊すことなく、こういう再生可能な樹種こそ人間の営みに木材として取り入れられたら良いのではないかとの想いで活用に取り組みはじめました。

はんのき①
はんのき②

活用にあたっての壁

ところが、これらの早生樹材(そうせいじゅざい)とくに「はんのき」はこれまで木材としてはまったく人気がなくほとんど活用されておらず、伐採されてもパルプの原料になったり鋤きこんで土に還してしまうことが多かったようです。
しかし、そんな「はんのき」も、削って使ってみるとまるで桜のような赤みを帯びた美しい木目を持っており、軽く軟らかいのが特徴で、これは家具には向かなくとも、うつわづくりにはかえって適した特徴です。
チエモク株式会社として、天然林を守り、人工林から出る恵みを無駄なく活かすために、はんのきの活用に取組もう!と盛り上がったのもつかの間、これまでまったく人気のない樹種なだけに、活用には大きな壁がありました。木材店に頼んでも、はんのきの材を手配することが難しかったのです。
森の現場では量はたくさん出てくるものの、製材し乾燥し、在庫を抱えるリスクを負ってまで手をかける木材加工業者さんがいなかったのです。木という素材は、さまざまな人の手を経てやっと木材として私たちの元へ届きやっと木工屋の出番となります。
森で実際に伐採する林業者、特殊な重機やトラックで運搬する運材業者、専用の鋸で板にする製材業者、水分を一桁%台まで抜く乾燥業者・・・。
下川町役場以下、下川町内のNPO法人森の生活さんをはじめ、下川町内の加工業者さんに協力を依頼し、乾燥材として安定供給可能な体制を作ってもらうことができました。これは、とても画期的なことと思っています。

そのような、皆さんのご協力があって活用できることになったはんのき。貴重な天然林を守る、再生可能な木材としてSDGsの推進にも寄与するものと確信しております。皆さんもぜひ、はんのきの使い心地を感じてみてください。

coberuの製作過程
工房の様子

運搬している様子

まとめ

  • 天然林は大切に保護して、人工林で再生可能な木材を育て、それを積極的に活用しようということ
  • 成長が早い=再生可能ということ
  • これまであまり活用されていない木材を活用することで、同じ面積の森林から生じる付加価値を向上させ、森に資金を還流させること
  • そのことを消費者にしっかり伝えること(商品に乗せるメッセージとして、また植樹活動等で体験すること)
  • 1次産業=生産者である林業者と、2次産業=加工者である製材屋さん、乾燥屋さん、私たち木工屋、商品を取り扱うお店、そして消費者が有機的に繋がって交流し、価値を共有し、協働すること
  • 最終的に、北海道の宝である天然林を守ることにつながって欲しいと願っています。