9/28 札幌市への要望(詳細)
北海道新幹線の札幌延伸について

北海道新幹線の札幌延伸については、昨年、署名活動の展開や、総決起大会、街頭行進の実施等、当所と札幌市との連携により強力な推進活動を展開してきた。
そうした推進活動が実を結び、昨年末には政府・与党ワーキンググループにより、「長万部‐札幌間」について、本年末までの認可に向けた所要の検討が進められることで合意がなされ、札幌延伸が大きく前進を見たところである。
しかしながら、今回の政権交代に伴い、事業効果の精査等による見直しによって、結論が先送りされる可能性も懸念され、これ以上の認可・着工の遅れは、今まで築き上げた推進活動を大きく後退させてしまうこととなる。
札幌延伸については、札幌市の役割が、極めて重要であります。これまでの推進活動の成果を十分汲み取り、1日も早い認可と全線フル規格での着工が図られるよう、精力的な活動を展開されたい。

回答(所管:市民まちづくり局)

北海道新幹線の札幌延伸は、南は鹿児島から北は札幌までをつなぐ日本の背骨が完成することを意味するものであり、札幌までつながってこそ、これまでの全国での投資が真に生きることとなります。
また、依然として厳しい経済情勢が続く北海道において、東北地方との交流促進などにより北海道全体に生じる経済効果は、非常に大きなプラス材料であり、札幌延伸の早期実現は、緊急かつ最重要命題であると認識しております。
先日(9月9日)、鳩山首相に面会した際にも、北海道新幹線については「これまでの経緯を踏まえて、後戻りできないであろう」と一定の理解を示されたところです。
民主党に政権が変わり、これまでと検討の仕組みは変わるかもしれませんが、いずれにしても北海道新幹線は北海道の発展に欠かすことの出来ない社会資本であり、このことは新政権においても必ず理解され、早期完成に向けた検討が進められるものと信じております。
札幌市としては、札幌商工会議所をはじめとする関係機関と十分に連携を図りながら、この重要な局面に的確に対応すべく、これまで以上に率先した推進活動を展開してまいりたいと考えております。

札幌丘珠空港発着路線の維持について

全日本空輸㈱が新千歳への路線集約化を表明している札幌丘珠空港の路線については、現在、全日本空輸と地元自治体・経済界による協議会が進められているが、新千歳への路線集約化が現実のものとなると、札幌と道内拠点都市を結ぶ交通ネットワークに支障をきたし、ひいては地域経済そのものに大きな打撃を与えることとなる。
札幌市においては、丘珠空港路線の維持存続に向けて、有効な方策の提示など、最大限の努力を図られたい。

回答(所管:市民まちづくり局)

丘珠路線は、道内各地と道都・札幌を結ぶ高速交通網として、ビジネスマンの貴重な移動手段として、また地方医療を支える医師の移動手段として、さらには札幌で高度医療を受ける地方の患者さんの医療路線として、年間約40万人におよぶ安定的な需要を維持しております。
これに対しANAは、当方からの再三の申し入れにも係わらず赤字原因を具体的に示すことなく、新千歳空港への路線移転を強行しようとしているが、貴所(札幌商工会議所)や札幌市が実施したアンケート調査でも明らかなように、これら安定的な「道民の足」としての需要の多くを失うことになると考えられます。また、新千歳移転により失うこれら需要を新たな観光需要で賄おうとしているが、昨今の航空需要を鑑みると、安定的な需要を獲得することは容易なことではないと考えます。
新千歳空港移転が、道内経済に与える影響の大きさのみならず、結果的に道内路線が将来的にさらに大きな課題を抱えることにはならないか、札幌市としては大いに憂慮しているところです。
札幌市としては、本件問題の根本的な解決策が、赤字原因を正しく理解したうえで、如何に道内路線の需要を掘起し、さらに安定的なものとしていくかであると捉えており、前回(第3回)協議会において具体的な形で利用促進策を提案したところである。ANAにあっては、我が方の提案を真摯に受け止め、丘珠路線の維持存続に向けた検討を進めていくべきであると考えています。
丘珠路線の存続維持は、「道民の足」を守るために大きな意味があるので、今後とも粘り強く働きかけていきたいと考えております。

「さっぽろ花博」開催早期表明について

札幌市では、昨年度おこなった市民アンケートを踏まえ、本年秋にも花博開催の是非を判断する方針と聞いている。
当所では既に10万人を超える署名や開催構想への新たな提言を 添えて6月に改めて要望書を提出したところであるが、多くの市民が待ち望む花博を札幌で開催するという市長の表明を期待する。

回答(所管:市長政策室)

「さっぽろ花博」の誘致の是非について、できるだけ多くの市民の声に耳を傾けるため、今年2月には市民アンケートを実施したところです。
この市民アンケートでは、賛成のご意見が若干多かったものの、賛成のご意見の中でも経済効果や市の財政状況を懸念する声も多く、判断が難しい状況です。
また、議会でも、経済効果や市の財政負担への懸念、他の施策とのバランスなど、様々なご指摘をいただいているところです。
「さっぽろ花博」の誘致の是非につきましては、

  • 経済効果を含め、市全体のまちづくりにどの程度波及効果があるのか
  • 経済の先行きが不透明な中、民間企業の協賛や出展が十分得られるのか
  • 最近の他都市における大規模イベントの実施状況

などの項目について参考にしながら総合的に検討を重ねているところです。
誘致の是非に関する最終的な判断については、もう少し時間をいただきたいと考えております。

地域中小建設業の受注機会の確保について

地域の中小建設業は、低価格での受注競争等により体力は消耗しており、労働環境の悪化、下請けへのしわ寄せ等、様々な問題を引き起こしている。また、景気低迷による民間工事の減少も相俟って、倒産・廃業なども相次ぐなど危機的な状況に陥っている。

また、札幌市の除雪業務を担っているのは、このような厳しい状況に立たされている中小の土木建設業者であるが、昨今の公共事業の縮減により夏場の受注機会の減少等から、企業体力も落ち込み、冬季の除雪業務から撤退せざるを得ない企業が年々増えている。このままでは市内の除雪体制の維持が困難となることが懸念される。

このように地域経済や冬季生活への深刻な影響を鑑み、中小業者向け工事量の確保、除雪体制の維持に向けた事業者への配慮を強く要望する。

回答(所管:財政局)

現下の極めて厳しい財政状況の中にあっても、本市は昨今の厳しい経済・雇用情勢に鑑み、昨年来数次にわたる経済対策を講じてきたところであり、特に本年7月には平成10年の拓銀破綻時に次ぐ大型の予算補正(約266億円)を講じたところです。
また、現在議会で審議頂いているところではあるが、9月補正予算まであわせると、普通建設事業費は、対前年度補正後予算と比較して金額で111億82百万(平成20年度 773億32百万円→平成21年度 885億14百万円)、比率で14.5%伸ばすなど、切れ目のないスピード感ある対応を行っているところです。
なお、冬季の除雪体制の維持に向けては、業務内容・発注形態などの見直しや、除雪機械の安定的な確保に取り組む予定です。
市内の厳しい経済状況を踏まえ、限られた財源のなかではありますが、必要な事業の確保について、今後とも配慮してまいりたいと考えております。

入札制度の改善について

市内中小企業は、昨今の公共投資の削減や景気低迷による民需の落ち込みによる受注減、競争の激化に加え、低入札による利益率の著しい低下により相当に体力が消耗しており、このままでは倒産や廃業が増え続け、地域経済に深刻な影響を与えることは必至である。

このような厳しい現状を踏まえて、ダンピング受注の排除や品質確保、下請け企業へのしわ寄せの防止への対応として、国や北海道、札幌市では、工事の最低制限価格や低入札調査基準価格の引き上げを打ち出した。中でも道では最低制限価格を4月に引き上げ、更に7月には約90%への更なる引き上げを行っている。

こうした状況を踏まえ、中小企業が適正な利益を得て健全な経営ができるよう、札幌市においても最低制限価格の90%程度への引き上げを強く望む。

回答(所管:財政局)

最低制限価格の90%程度への引き上げにつきましては、低価格での入札が続きますと、品質や安全の確保、また、下請業者及び労働者へのしわ寄せも懸念されるところです。さらには、地域の雇用を維持し、地域産業の中核である建設業を健全に育成することも大変重要なことと認識しております。
このため、本年6月に本市は最低制限価格の設定基準の改正を行ったところでありますが、今後、入札結果の推移や北海道の引き上げ後の状況、他都市の動向等を注視してまいりたいと考えております。

地元中小企業の金融安定化対策について

昨年秋の世界同時不況以降、中小企業を取り巻く環境は厳しさを増しており、中小企業にとって安定的な資金の確保は、企業存続に向けた大きな課題となっている。

本年度、札幌市では中小企業向け制度資金の融資枠を大幅に拡大するなど、中小企業支援に積極的に取り組んでいるところであるが、意欲のある中小企業が資金調達難による経営破たんに追い込まれる 事態を避けるためにも、柔軟な融資姿勢を図るなど、引き続き、取り組みを強化されたい。

回答(所管:経済局)

金融機関での資金調達が難しい小規模零細企業に対しては札幌中小企業支援センターと連携し、元気がんばれ資金の融資あっせんを行っております。
また、市内中小企業を取り巻く厳しい経営環境を踏まえ、札幌市制度融資の取扱金融機関の本店・支店を訪問し、市内中小企業に対する制度融資の積極的な取扱いの働きかけを行っているところです。
今後も、金融アドバイザーによる経営・融資相談を強化するなど、安心して事業を営めるよう、市内中小企業を支援してまいりたい。

中心市街地活性化への取り組みについて

中心市街地活性化については、これまで地域のまちづくり組織や関係企業により個別に行われてきた活動を、より発展的・効率的に展開するため、総合調整機能を持った組織の必要性から、本年8月に大通地区で「まちづくり会社」が設立されたが、現在検討されている札幌駅前地区、薄野地区においても、設立に向けた取り組みを引き続き札幌市の強力な主導で進められたい。
  
また今後は、当所も「まちづくり会社」とともに平成22年度末に供用開始予定の札幌駅前通地下歩行空間の活用をはじめ、活性化へ向けた事業に積極的に取り組んでいく所存である。

回答(所管:市民まちづくり局)

本市においては、都心各地区の特性を生かしたエリアマネジメントを推進するための実働組織として「まちづくり会社」が必要であると考えております。
先ごろ(8月下旬設立総会、9月1日登記)、大通地区で「札幌大通まちづくり㈱」が設立されたところであり、駅前通地区においては、地下歩行空間の管理・活用をはじめとするまちづくり活動を継続的に行う「まちづくり会社」の設立に向け、沿道関係者を中心に検討が進められております。
また、すすきの地区においては、クリーン薄野活性化連絡協議会の内部組織として「すすきのエリアマネジメント研究会(AMI)」が設置され、同地区の一層の魅力アップと活性化手法の検討が行われております。
本市としましては、官民協働によるまちづくりの観点から、今後も積極的に各地区のまちづくり会社設立の支援を行っていきたいと考えております。
今後も、「まちづくり会社」をはじめとする、中心市街地活性化に向けた取組について、札幌商工会議所のご支援をいただきたいと考えております。

桜の杜構想の推進について

当所が予てより検討を進めていた小金湯農業センター跡地での桜の名所づくりについては、平成19年8月開催の札幌市と当所との懇談会において、地元町内会を含めた検討会の設置を図ることとなり、以来、5回に亘る検討会を開催し、先般、札幌市において『(仮称)小金湯憩いの森緑地の基本計画(案)』を取りまとめたところである。
本計画の推進にあたっては、桜の苗木の提供や、緑地活用におけるにぎわいづくり等、当所も応分の役割を担う所存でありますので、札幌市におかれましても、まちづくり、観光振興等、地域の活性化に資するよう積極的に推進されたい。

回答(所管:環境局)

本市農業支援センターの跡地での桜の名所づくりに関しましては、札幌商工会議所のご協力のもと、地元の住民組織を含めた検討会において協議を重ね、今年度「(仮称)小金湯憩いの森緑地基本計画」を策定する運びとなりました。
今後、植栽本数、スケジュール、施設整備の内容等の事項について具体的な検討を進め、来年度において実施設計に着手することとなりますが、札幌商工会議所のご提案とご厚志をふまえ、これまでどおり地元住民組織、札幌市の三者の協力体制と連携により、市民や観光客が気軽に立ち寄れる緑豊かな環境づくりと地域住民が主役となる公園実現の推進に取組み、地域の活性化を図って参りたいと考えております。