9/24 札幌市への要望(詳細)
経営安定化に向けた緊急融資制度の拡充

運転資金確保が困難になっている事業者に対する経営資金対策として、保証料率の軽減を図るなど、従来よりも厚く幅広いセーフティネット融資制度の拡充及び周知徹底を図られたい。

回答

本市では、昨年12月に「灯油等石油製品高騰に伴う緊急対策会議」を開催し、原油・原材料の価格高騰に対応した「原油高騰緊急対策資金」を創設して対応して参りました。
また、今年度は、原油・原材料高騰や売上減少など様々な社会的・経済的影響を受けているであろう小規模零細企業を対象として、「原油高騰緊急対策資金」よりさらに条件を緩和した「元気がんばれ資金」を創設して活用に努めているところであります。
しかしながら、昨今の情勢から本市としても更なる景気対策として新たな取り組みが必要と考え、現在新資金の創設を前向きに検討しております。
なお、本市の総合的な対応策を展開するため、去る9月22日には市長を本部長とする「石油製品価格高騰特別対策会議」を立ち上げ、経済活動のみならず市民生活も含めた全般的な対策を鋭意検討中であり、その結果につきましては、10月中旬には公表する予定であります。

入札価格の適正化対応の実施

(1)最低制限価格制度の見直しを行い、適正価格での入札実施等中小建設業の経営安定化に向けた対策を図られたい。
(2)公共工事における「単品スライド条項」適用に関し、対象となっている鋼材類と燃料油以外の工事材料も高騰しているため、適用幅の拡大を図られたい。

回答

(1)について
最低制限価格の基準は、低入札調査価格の基準と同様に定めておりますが、現在、札幌市の低入札調査価格の算定率については、土木系は元々現場管理費を大幅に高く見ていたこともあり、改定後の国や他の地方自治体と比べて同程度となっております。
また、落札率も政令指定都市の平均より、やや高い水準にあることから、すぐに見直すことは考えておりませんが、今後とも、国や他の地方公共団体の動向を注視してまいりたいと考えております。

(2)について
国土交通省は、本年6月に鋼材類と燃料油について価格が著しく上昇し、請負代金に影響が出ているとして、単品スライド条項適用の通達を出し、更に9月、適用対象資材を拡大する通達が出されたところであります。
札幌市においても、国の考え方に沿って、従来の鋼材類の燃料油の二品目以外の資材について適用範囲を拡げる方針であり、具体的には、受注者と個別協議を行い、それぞれの資材の価格上昇の状況を勘案して、きめ細かく対応することとしております。

新エネルギー・省エネルギーの開発支援

原油高騰対策として、省エネルギー技術の推進や新エネルギーの開発は重要課題であることから、これらを育成する助成や補助などの支援を図られたい。

回答

新エネルギー・省エネルギーの技術開発については、経済局で実施している「ものづくり産業活性化支援事業補助金」制度や「新産業育成推進事業補助金」制度があり、市内中小企業が行なう開発・改良に対して経費の一部を補助しております。
今まで補助を行なった事例としましては、雪氷を利用した輸送システムや、粗製グリセリンを原料とする温水ボイラーの開発、バイオディーゼル燃料に関する研究開発などがあります。
また、省エネルギー設備導入等については、「環境保全資金融資あっせん制度」や「札幌・エネルギーecoプロジェクト」で、市内中小企業が新エネ・省エネ設備や低公害車を導入する場合、原則無利子で融資を行なっています。
今後とも市内中小企業が取り組む新エネルギーの開発や省エネルギー技術の導入に対し、積極的に支援を行なって参りたいと考えております。

冬期除排雪体制への支援

札幌市の除排雪事業を担っている中小土木建設業者は、今年に入ってから倒産が相次いでおり、今後も原油価格の高騰によるコスト負担増などから、除排雪業務から撤退せざるを得ない企業が増加することが懸念されている。
ついては、除排雪体制を整備し、厳冬期における市内交通の円滑化を図る上で、除排雪事業者への支援など所要の措置を図られたい。

回答

道路除雪業務につきましては、冬期間の円滑な交通を確保し、市民生活だけでなく経済活動を支えるためにも不可欠な事業であります。
このため、本市の道路除雪業務では、道路幅員の確保や路面の管理などの作業に努めておりますが、その際には、除雪機械やダンプトラックを稼動させて行うため、軽油などの燃料の使用割合が高く、原油価格の影響を受ける割合が高い事業であると認識しております。
このことから、受託業者への負担を軽減するため、軽油単価が月毎に5%の増減が発生した場合にその都度設計変更を行なうよう対応しているとともに、単価設定にあたっても、より価格変動を反映するよう見直しを図っているところであります。
このほか、本市の道路除雪業務に携わる事業者への支援策といたしましては、除雪業務の従事を入札の参加条件とした、条件付き一般競争入札の拡大を図るなど、様々な支援策を繰り広げているところであります。
今後とも除雪事業の重要性と特殊性に配慮し、社会経済情勢の変化に応じて除雪体制の確保を図るよう適確に対応していきたいと考えております。

北海道厚生年金会館の取得と官民協働による機能維持について

北海道厚生年金会館の入札実施にあたり、札幌市による取得実現について最善の努力を図られたい。
尚、当商工会議所として、今後の運営等について、官民協働による一定の役割を検討していきたい。

回答

ご承知のとおり、去る8月6日に年金・健康保険福祉施設整理機構から北海道厚生年金会館売却に関する入札公告が出され、ホール部分については5年間のホール機能維持が示されたところであります。
また入札公告において入札日が11月13日と示されたことから、現在、入札に参加する基本方針のもと、会館購入財源の確保や入札額の決定に向けた最終調整を進めております。
平成18年度に商工会議所、北海道、札幌市の3者で存続検討会議を立ち上げ、これまでの間、会館存続に向け精力的に協議を続けてまいりました。厳しい財政状況ではありますが、官民挙げて、会館存続に取り組んできた経緯を十分念頭に置きながら、厚生年金会館の取得に向け、最善の努力を図っていきたいと考えております。
商工会議所におかれましては、官民協働での会館全体の運営や機能維持について、さらにご検討を深めていただき、引き続き協議を進めていきたいと考えておりますので、ご協力よろしくお願い申し上げます。

「さっぽろ花博」の早期立候補表明について

さっぽろ花博の開催に関し、札幌市においては「国際園芸博覧会構想検討基礎調査・研究」を取りまとめられ、環境をテーマにした花博誘致の是非を判断する予定となっているが、本道・本市経済活性化の観点からも開催効果は極めて大きなものと予測され、北海道新幹線の新函館開業との相乗効果を図るなど、2015年度の開催を目指し、本年度中に早期に立候補を表明されたい。

回答

札幌市としては、北海道の環境や食などの優位性を活かしたライフスタイルが今後のまちづくりにおいて必要であり、「国際園芸博覧会構想検討基礎調査・研究」で頂いたコンセプトやテーマによる国際園芸博覧会を、道都札幌のステージを活用すべく誘致することは、緑豊な北海道の魅力と本市のまちづくりの方向性を全世界に向けて発信する大いなる契機となるものと考えます。
しかしながら、本市の厳しい財政状況を踏まえると、事業規模の精査等により、市費負担を更に圧縮できないかなどの検討を加え、速やかに市としての考えをまとめたい所存であります。
なお、市民に是非を問う際には、さっぽろ花博期成会の母体である札幌商工会議所とも連携を図りながら、判りやすい情報提供に努め、年度内を目途に市民に開催の是非を問いたいと考えております。

魅力ある都心のまちづくりに対する取り組み状況について

札幌駅周辺地区は、札幌駅前通地下歩行空間整備や創成川通のバイパス連続化等の再開発が進められており、今後も、札幌市では、未整備である北5西1街区を含め札幌駅周辺の再整備に向けた事業が検討されている。
更に、都心における新たな拠点形成を図るために事業化を目指す創世1.1.1区再開発事業や(仮称)市民交流複合施設整備事業などが進められている。
ついては、こうした将来を見据えた都心の一体的なまちづくりについては、経済界としても十分認識する必要があるので、今後の方向について周知されたい。

回答

JR北海道周辺地区については、駅前通地下歩行空間の整備、創成川通のアンダーパス連続化や親水・緑地空間の整備、駅前通沿道における大規模な民間都市開発の具体化など、周辺環境の変化が進んでいるところであります。
また、従来から指摘されている駅周辺の慢性的な交通渋滞への対策やバスターミナルの再編など、交通結節点としての機能の見直し・強化も重要な課題であると考えております。
本地区は、道都札幌の玄関口としての機能の更なる充実が期待されている地区であることから、これら周辺環境の変化に対応し、北海道新幹線の札幌延伸をも踏まえたまちづくりについて、北海道及びJR北海道などの関係者の協働により取り組むことが極めて重要であると認識しております。
札幌市においては、2010年までに「(仮称)札幌駅周辺地区再整備構想」を策定することとしていることから、2008年度中には、有識者や関係機関等からなる構想案策定委員会の立ち上げを予定しており、この検討にあたっては経済界からの参画もお願いしたいと考えております。
また、創世1.1.1区再開発事業、(仮称)市民交流複合施設整備事業などについても、この懇談会の場などを活用して、適宜、意見交換させていただきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

中心市街地活性化の取り組みの推進について

札幌市が今後とも都市の活力を維持していくためには、中心市街地の活性化は欠かすことのできない重要課題である。
現在、大通・札幌駅前・薄野の地区ごとに、エリアマネジメントによるまちづくり会社設立の検討が行われているが、早期設立実現に向けて、札幌市の強力な指導力を発揮されたい。
また、中心市街地活性化の推進に当たっては、今後とも、従前と同様に、組織体制、予算等について札幌市と当所の協働による運営体制が確保されるよう取り計られたい。

回答

本市ではこれまでも、各地区毎の特性を踏まえながら、地域が主体となった課題の解決や魅力向上、いうなれば「地域力」の向上について、各地区の事業者・商業者の方々とともに検討を進めてきており、その具体的組織である「まちづくり会社」の設立に関しても、積極的に支援してきたところであります。こうした検討を経て、大通地区では、6商店街理事長が中心となり、来年6月の設立に向け「大通まちづくり会社設立準備会」が発足されたところであります。また、駅前地区、すすきの地区においても、組織の必要性や体制等について鋭意、検討が進められているところであります。
本市としましては、このような民間主体の自発的・自立的な動きが、より一層確実に展開されていくことが、経済活性化の魅力ある都心の実現に必要不可欠である、と認識していることから、これまでの経済局の取り組みに加えて、今後とも、強く支援していく所存であります。
また、中心市街地活性化の推進にあたっての運営体制に関しましては、これまで札幌TMOが果たしてきた役割や「まちづくり会社」との役割分担などを見極めながら、札幌市としての支援のあり方について検討して参りたいと考えております。

官民一体となった観光振興策の推進について

本年は北海道洞爺湖サミットが開催され、「北海道」を世界にPRする絶好の機会を得たところである。今後はそのPR効果を生かし、官民一体となって国際コンベンション・国際イベントの招聘を積極的に図るとともに、本道・本市への観光客の誘致に一層の力を注がれたい。

回答

北海道洞爺湖サミットでは、来札するお客様を街全体でもてなし、札幌ファンを増やしていくために、官民合同で「北海道洞爺湖サミット札幌おもてなし委員会」を立ち上げ、ホスピタリティの向上に対して一定の成果を上げることが出来ました。
この機運を一時的なものとせずに、今後も官民が一体となり観光振興策の強化を図ることが重要であります。
去る9月19日の「札幌おもてなし委員会」でも、同委員会の継承が確認されたところです。
貴会議所との連携の具体的な例では、タクシーの乗務員の外国人対応や観光案内のスキルアップを図るための研修を実施いたしました。
今後とも、貴会議所と連携を深めて、外国人をはじめとする観光客の受入強化策などで官民一体の展開を図りたいと考えており、ご相談させていただきますのでよろしくお願いたします。