緊急対策実施についての要望

北海道経済は一部に改善の動きがある一方、大幅な需要不足やデフレ深刻化などから、多くの中小企業経営者からは景気回復を実感するには程遠いという声が当所にも数多く寄せられており、先に示された金融円滑化法に基づく中小企業者への返済猶予額も地元金融機関だけで4,600億円強にのぼるなど、本市の中小・零細企業を取り巻く経営環境は依然として厳しく、国内外の経済情勢の行方と相俟って先行き不透明な状況がこれを後押ししている。
とりわけ当所会員数二万社の四分の一を占める建設業界においては、公共投資が昨年度に比べ大幅に落ち込んでいることから受注競争が激化し、低入札による利益率低下が更に企業の体力を奪っている。こうした状況は下請け企業はもちろん産業資材など関連する業界へも悪影響をもたらすばかりか、工事品質や労働環境の悪化なども懸念される。
これから冬場に向けて工事が少なくなれば、厳しい状況に拍車をかけて雇用の維持が困難となるだけでなく倒産・廃業の増加を招き、地域経済に深刻な影響を与えることは必至である。
こうした地元中小建設業の窮状に鑑み、札幌市では、早急に波及効果や雇用吸収の点で効果の高い公共投資による景気浮揚策を速やかに実施することが必要であり、老朽化の進む社会基盤の改修整備を前倒しで執行するなど、地元中小企業向けの事業を確保し、需要を積極的に創出して頂きたい。
一方、商店街の疲弊も目立つことから、消費拡大策や中小・小規模企業への需要創出策を講じ、本市の中小・小規模企業が一日も早く景気回復を実感できるものとなるよう強く要望する。


1.社会基盤整備の推進
多くの市民が集い地域コミュニティの拠点となる公共施設の老朽化対策や生活道路の舗装改修など、緊急性が高く地域に密着した社会基盤の整備を積極的に前倒しして進めるとともに、地元中小企業向けに発注頂きたい。

2.消費意欲喚起による地元商店街の活性化
地元商店街の売上拡大に資する地域限定商品券の発行など、消費意欲を喚起する地域独自の取り組みについて支援頂きたい。


平成22年9月8日
札幌商工会議所
会頭 高向 巖

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