空き家対策コラム
既存住宅ストックの有効活用に向けて ~住宅ローン等による支援~
住宅金融支援機構北海道支店 副支店長 横谷 好 氏

平成25年度「住宅・土地統計調査」では、「空き家」戸数は全国で約820万戸、空き家率は13.5%に達し、
札幌市の空き家率は14.1%と全国を上回りました。一方、「空き家」のうち適切な管理がなされていない可能性
のある「その他の空き家」でみると、札幌市では約3万戸、住宅ストックに占める割合は2.9%となり、全国の5.3%
よりも低い水準でした。この背景として、札幌市では平成15年まで年間1万人以上の人口増加が続き、住宅需要
が拡大したことなどが考えられます。

 しかし平成29年の人口増加数は3,447人となり、人口の増加ペースは鈍化しました。グラフにあるように自然
減(出生-死亡)が拡大しているのが原因で、2020年には札幌市の人口は減少に転じると予測されています。
先述のように、札幌市の「その他空き家」戸数は、現状では低い水準にありますが、将来は亡くなる方の増加により
急速に増加することが懸念されます。
 空き家の増加を抑制するには、①既存住宅ストックの活用 ②利用できない空き家の除却 ③人口の増加
等の方策が考えられます。私ども住宅金融支援機構では、住宅ローン商品などで、既存の住宅ストックが有効に
活用されるための取り組みを行っており、そのうちのいくつかを紹介します。

1【 フラット35】(リフォーム一体型)
【フラット35】を利用して既存住宅の購入と併せてリフォームなどを行う場合に、リフォームの工事費用を
融資する制度。省エネルギー性能などの基準をクリアする良質な住宅を取得する場合には、【フラット35】
Sとして、借入金利を一定期間引き下げ可能。

2【 フラット35】(リノベ)
既存住宅を購入して性能向上リフォームなどを行うの場合【、フラット35】の借入金利を一定期間引き下げ可能。

3 マンション共用部分リフォーム融資
マンションの管理組合などに対して、大規模修繕などに必要な資金を融資する。なお、管理組合が修繕積
立金の適切な管理・運用をサポートするために、機構が発行する債券「マンションすまい・る債」を購入した
管理組合がこの融資を利用する場合、借入金利を引き下げ可能。

上記以外にも、住宅融資保険を活用したリバースモーゲージ、賃貸住宅の耐震改修リフォーム融資などによる
住宅ストックの有効活用を行っています。また、今年度から、子育てやUIJターンなどの住宅施策に補助を行う
市町村と提携し、補助の対象となる方で【フラット35】をご利用される方の金利を引き下げる、【フラット35】
(子育て支援型)および(地域活性化型)を開始しました。さらに平成30年度からは「空き家対策」を追加します。
 これらの制度により、既存住宅ストックの質向上に伴う有効活用などを促進し、空き家の抑制につながるよう
支援を行って参ります。